キャリア教育コーディネーターの荒川です。
高校生のインターンシップ体験は、将来に向けて選択と成長に重要な時間です。
今回は高校生インターンシップの事前学習について書いてみたいと思います。
高校の先生にインターンシップについての悩みを聞くと下記の内容をあげられました。
・参加生徒が増えない。
・生徒の意欲にばらつきがある。
・企業さんに迷惑かけないか心配だ。
このような悩みは、インターンシップに行く前の事前学習やキャリアガイダンスの時間の使い方の工夫が必要です。
では、なぜ生徒の参加者が増えず、意欲的に取り組む生徒のばらつきがあるのでしょうか?
それは自分には関係がないと思っている生徒が多くいるからです。
インターンシップ体験を効果的にするためには、体験前の事前学習/体験後の事後学習が大切です。
事前学習が生徒/企業/先生にとって効果のある学びの時間になるように、事前学習での大切なことをまとめてみました。
今後の事前学習の参考にしていただければと思います。
【その1】なんのためにインターンシッップに参加する?
インターンシップの参加は学校で全生徒参加という学校以外は希望制で参加したい生徒だけに事前学習という機会が多いかと思います。
しかし生徒になぜインターンシップ参加したいのか?と聞いてみると、親に参加しなさいと言われた。先生が進めてきたからという生徒さんも多くいます。
そのため何のために参加するのかというところが本人もあまり理解できていないのです。
そのまま企業へ行きインターンシップを体験しても、どうしても受け身になってしまうものです。
事前学習では何のためにインターンシップに参加するのか。また参加してどんなことができるようになりたいのかなどをしっかりイメージし目標設定することでインターンシップ体験が効果的になります。
私は事前学習の時間に、パワーポイントの資料で以下をお話します。
(事前学習の時間は2時間〜)
①インターンシップの概要
(インターンシップがどういったもので、何が目的かを理解していただきます。)
②インターンシップの効果
(インターンシップについての理解を得て、その後効果についてお伝えします。)
③【ワーク1】将来のために準備できることは?
(将来のことを考えてもらい、何を準備するかをイメージしていただきます。)
④【ワーク2】目標設定シート記入
(目的・将来像・インターンシップでがんばりたいことなどを目標設定シートに記入してもらいます。)
⑤目標の発表
(目標をみんなに発表します。他の生徒の目標を聞くことで、インターンシップに対して主体的に関わろうとする意識が芽生えてきます。)
※参加生徒を増やしたい学校では、キャリアガイダンスとして全生徒に①②をお話いたします。
【その2】マナー/コミュニケーションについて理解する
コミュニケーションって何でしょうか?生徒に聞くと「人と話したりすること」「自分から挨拶すること」「笑顔」など答えてくれます。
果たしてそれだけでコミュニケーションと言えるでしょうか?
事前学習でしっかりコミュニケーションについて考えてもらえるように、ワークを体験してもらいます。
どんなワークかというと、まずあいさつ・おもいやりの気持ちについてです。
あいさつといってもどんな風にまた、何のためにあいさつするのかということを理解してほしいのでペアになりあいさつの練習をしてみます。ペアやグループですることによってお互いに出来ていないところや相手にどのような印象を与えているのかなどをシェアし、自分でも気づかなかったくせや、他の人のよいところ等の様々な発見があります。
もうひとつは他己紹介をします。他の人にペアになった生徒の紹介をするのですが、相手のことを伝えるためにはまずインタビューをしないといけません。人の話を聞き、まとめて伝える。どちらも体験してもらうことで、「聴く」ってどういうことだろう?また人に「伝える」ということはどういうことだろう?考える時間もとりながら実践でも使えるスキルも身につけていきます。
相手のことを考えて行動することで、インターンシップ先での関係構築にも役立ちます。
生徒の感想(事前学習参加生徒)
・自分の将来のために積極的に企業さんと話してみようかと思った。
・社会にでる不安があるので、もっといろいろ学んでみたい。
・来年、インターンシップに参加してみようと思った(1年生)
まとめ
インターンシップは、学校生活では出会うことができない大人と出会います。
「社会とのつながり」を知ることで将来のイメージを知り、自分を客観的に見ることができます。
自分自身の目で見て、耳で聞いて、肌で感じる体験は、社会と繋がることに希望を持ちます。
その経験ができるインターンシップ体験を多くの生徒が体験することは「自立」へと繋がります。
インターンシップ事前学習を実施し、何のためのインターンシップ体験なのか。インターンシップでどんなチャレンジをしたいかを確認することで意識もあがり、心構えを確認することで企業の方へ安心して生徒を送りだせます。
インターンシップは「社会を知る」「企業を知る」「自分を知る」成長機会をもらっています。
受け入れ企業の方はインターンシップの参加生徒にしっかり成長し、短い時間であっても将来のための気づきになればと考えてくれています。
インターンシップ体験前の事前学習の時間をしっかり確保し社会に出た時に必要な力をつける成長機会にしていただけたらと思います。
以上、インターンシップに参加する前の事前学習で大切なことををお伝えしました。
事前学習の参考にしていただけたら幸いです。
最後に
キャリフラワーでは、未来を担う人財育成を応援しています。
企業がインターンシップを受け入れ、高校生が将来を決めるきっかけにインターンシップに行くことが当たり前になるよう鋭意努力していきます。
インターンシップを受け入れたい企業の方、学校でインターンシップの事前学習等のご相談がありましたら下記よりお問い合わせください。
作成者:荒川 由規
キャリア教育コーディネーター/コーチ
人生の花を咲かせようをテーマに一人ひとりの個性や可能性を引き出し成長する場を創る
小学生から大学生までのキャリア教育(インターンシップ)のプログラム開発・コーディネート全般を担当。
先生向け・子育て世代へコーチングも実施しています。
兵庫教育大学 キャリア教育実践プログラム開発 非常勤講師
園田学園女子大学 キャリア教育プログラム開発 「つながりプロジェクト」非常勤講師